こちらの記事では、『ホタルの嫁入り』の登場人物・後藤進平の正体についてご紹介していきます。
『ホタルの嫁入り』は、主人公・桐ヶ谷紗都子と、彼女の目の前に現れた謎の青年・進平の、遊郭を舞台に繰り広げられる切ないラブストーリーです。
電子コミック大賞2024の大賞作品でもあり、たいへん注目されている少女漫画のため知っている方も多いのではないでしょうか。
その物語の中でも、メインキャラクター・進平の正体はいったい何者なのか?
謎に満ちた進平の過去を深掘りしながら『ホタルの嫁入り』の物語を紐解いていきましょう。
以下、ネタバレを含む内容です。ご注意ください!
Contents
ホタルの嫁入り進平の正体は?
進平の正体を結論からお伝えすると、以下の2つの顔を持ち合わせていることがわかりました。
- 天女島の全遊女屋の用心棒
- 殺し屋
それぞれ詳しくご紹介していきますね。
遊女の用心棒としての一面
遊女たちは進平の裏の顔を知らないので、厄介なお客をこらしめ遊女を守ってくれる、という進平の姿に憧れる遊女も少なくないのだとか。
また、遊女屋の元締めや、島の権力者たちからも一目置かれている存在です。
作中でも遊女たちにフランクに絡まれていたり、色っぽく迫られていたり、元締め・遣手と親しそうにしている場面が見られます。
進平が重症を負った際には、みんなが泣きながら進平の容態を心配していました。
また、遊女屋「いせ吉」のナンバーワン遊女・朝霧の体を傷だらけにしたお客がいた際には、遊女のフリをしお客のもとへ潜入し、天女島の悪党たちとケジメをつけさせたのでした。
殺し屋としての一面
紗都子が悪党に誘拐され、天女島に連れて来られた際に処刑役として呼ばれていたのが進平でした。
そこで紗都子は進平に助けを求めるのですが「それは無理だよ 俺の仕事は逃がすことじゃなくて殺すことだからな」とあしらわれてしまいます。
しかし、それでも食い下がらない紗都子に進平は「ここの連中以上に俺を雇える金があればアンタ側についてもいいよ」と答えるのでした。
結果として、紗都子から結婚を提案され、紗都子を殺す側から守る側へと立場を変えたのでした。
その後の追手も簡単そうに全滅させ、まさに殺し屋そのものでした。
ホタルの嫁入り進平の生い立ちや過去は?
ホタルの嫁入りの進平の生い立ちや過去についても気になるところが多いです。
こちらでは、その詳細をご紹介します。
ホタルの嫁入り進平の生い立ちは?
進平の生まれ育った場所は、遊郭の島「天女島」です。
あまりのきらびやかさに紗都子は「別世界に迷い込んだよう」と驚きを隠せませんでした。
大物政治家も運営に携わっていると言われており、法律も埒外の島です。
進平が用心棒や殺し屋として、帯刀していられるのもそのためです。
進平は作中で、母親が遊女で進平が小さいときにお客に殺された、父親は知らないと語っています。
そして母親を殺した男が、進平が初めて斬った相手だったそうです。
苦しそうにもがいていた相手を見て「あれは快感だった」と言ってしまうところから、殺しを何とも思わないサイコパス気質なところもあるのかもしれません。
ホタルの嫁入り進平の過去は?
実は進平の過去については、作中でまだ明かされていません。
紗都子と結婚するにしても、親戚はいるのか、そもそも戸籍があるのかすらわかりません。
天女島へは政治家や警察官など本土で「立場がある男のみ自由に出入りできる」と進平が紗都子に教える場面があります。
これはあくまで私の考察ですが、上記のことから進平の父親は本土での権力者、または力のある人物だったのかもしれません。
作中で紗都子から手紙をもらった際に返事を書きますが、そのときに字が書けないことを明かしています。
紗都子と町にお使いに出たときに、進平が梅干しを知らなかったことから食事の話に発展します。
進平は「食事は2日に一回でしばらく動ける 生ごみや雑草でも生きていける」と言い、「過去にどんな生活を経験してきたのかしら…」と紗都子も心配になっていました。
また、天女島の悪党のリーダー格・三枝という男は昔から島を牛耳っており、語られてはいませんが進平の過去についても何か知っていそうです。
ホタルの嫁入り進平はかわいい?怖い?
まだ謎が多く残りますが、とても魅力的な進平というキャラクターについて深く掘り下げていきたいと思います。
初めて紗都子に出会ったとき、進平は光のない真っ黒な瞳をしていましたが、紗都子の愛情に触れ徐々に瞳に光を取り戻してきました。
進平は紗都子の好きなところとして瞳を挙げ「澄んでいて光を集めてる すごく綺麗だ 俺の瞳とは全然違う ずっと見ていたいし見ていてほしい」と伝えていることから、自身の瞳が死んでいるように感じていたのかもしれませんね。
そんな進平は殺し屋で怖いところもありますが、どこか憎めないキャラクターなので、個人的にもみなさんにおすすめしたいシーンを話数とともにご紹介します。
ホタルの嫁入り進平はかわいい?
進平の見た目は、目にかかるほどの長さの黒髪で、ふわふわの猫っ毛です。
背が高く細身ですが程よく筋肉のついた体で、昔風に言えば「男前」と言っても過言ではありません。
しかし、進平は見た目のかっこよさだけでなく、まるで子犬のようなかわいさも持ち合わせています。
そんな進平が垣間見えるシーンは以下の3話です。
第9話:自由にしてあげる
紗都子が死に対し落ち込んでいる姿を見た進平は、川まで走り捕まえたホタルを部屋に放ち「どこにいたって俺が紗都子を自由にしてあげる」と笑顔で言います。
それに対し紗都子も「私と一緒にここを出て自由になりましょう」と答えるのでした。
また「俺たち結婚するよね?」という進平の問いかけに「さぁ」と答える紗都子。
その一言で、目を血走らせ「結婚するって言ったのは嘘?」と紗都子に迫るシーンはヒヤヒヤしましたが、軽くあしらわれ屋根の上でしょぼん…とする、かわいらしい進平が見られます。
第19話:愛の形
島から脱出する際に追手に斬りつけられた進平でしたが、何日も眠り続けた末ようやく目を覚まします。
紗都子が必死に看病していたと遊女から聞き、さらにそれは「愛」だと教えてもらうと進平はニヤケが止まりません。
その後、進平は「愛って最高だよね」と紗都子を抱きしめ、ふたりで笑い合います。
「こうやって布団で温めてくれるのも愛 薬を塗ってくれるのも愛 俺の目を見つめてくれるのも愛 俺を抱きしめ返してくれたらもっと愛」と、紗都子へとにかく「愛」を羅列します。
ここでも進平は紗都子にあしらわれますが、9話の頃よりも紗都子の表情から進平への愛が感じられるシーンです。
第28話:あなたについて
町でのお使いのシーンで、とにかく楽しそうな進平に紗都子は「…楽しそうだわ」と声をかけます。
すると進平は屈託のない笑顔で「すっっっごく楽しいよ」と答え、周りの目を気にすることなく紗都子を抱き上げます。
ここでの進平の笑顔は、『ホタルの嫁入り』を最新話まで読んだ私の中で、一番のお気に入りシーンとなっています。
紗都子が心の中で「この時間が永遠に続けばいいのに」と思うのですが、ここまで様々なことで島を出ることが難航していたゆえにとても感動的でした。
ホタルの嫁入り進平は怖い?
殺しを躊躇しないことに関しては怖いと思う場面もありますが、紗都子のことになると感情を抑えきれなくなり、進平は俗に言うところの「ヤンデレ」と呼ぶにふさわしい性格です。
それは進平自身も自覚しており「俺 ちょっと愛が重いけど幸せにするよ」と紗都子に宣言しています。
進平の怖さ、狂気は愛が重いゆえに感じるのかもしれませんね。
こちらでは厳選した進平のヤンデレシーンを3話ご紹介します。
第12話:痛み
名家である桐ヶ谷家の令嬢の紗都子は、良家の男性と結婚し家を守ることを夢とし生きてきました。
悪党に誘拐された際に、生き残るために進平と結婚することを提案したことを謝罪し、進平とは結婚できないと告げます。
それでも絶対に紗都子と結婚したい進平は「紗都子の結婚相手が見つかるたびにそいつを殺す 殺して殺しまくってこの世の男が俺一人になったら…俺と結婚するしかないよね?」と紗都子の手を取りました。
第17話:鬼と心臓
島からの脱出計画が悪党にバレ、三枝らが追ってきますが、進平は追手をまるで舞うように斬りつけていきます。
敵ですら進平のことを「ありゃあ人間じゃねぇ 鬼だ」と言い怯みます。
しかし多勢に無勢、紗都子を守りながらとなると、さすがの進平も斬られ致命傷を負います。
ここで進平は消え入りそうな声で「俺の心臓…あげる」と紗都子に言うのです。
心臓を患っている紗都子にとって、これほどグッとくるセリフはありませんよね。
第23話:こっちにおいで、第24話:痛い
桐ヶ谷家の用心棒・康太郎が紗都子を身請けすると、突然天女島に現れます。
当然、紗都子への距離が近い康太郎を進平が許すはずもありません。
進平は紗都子との「誰も殺さない約束」を守り、自分では手を下さず遊女を使って康太郎を殺そうとしますが、企みは失敗し、進平と康太郎の取っ組み合いが始まってしまいます。
康太郎が紗都子の名を呼ぶことも気に入らない、紗都子が康太郎を庇うことも気に入らない、進平は「こんな奴に紗都子を渡したくないよ 考えただけで体中の血が沸騰しそうだ」と憎悪をあらわにします。
進平は正気を失い、紗都子の声も届きません。
進平は紗都子の頭を抱え「死ぬまでず───っと二人きりだ」と言いますが、普段堂々としている紗都子でも恐怖で震えてしまいます。
この漫画の中で最も進平が感情をむき出しにしたシーンでした。
まとめ
こちらの記事では、『ホタルの嫁入り』の登場人物・進平の正体についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
進平の人生にとって、紗都子との出会いは大きな転機となります。
果たして進平は、余命いくばくもない紗都子と幸せを掴むことができるのでしょうか?
波乱万丈なふたりを、結末まで見守っていきましょう。
以上、「ホタルの嫁入り進平の正体は?生い立ちや過去についても紹介」と題してお届けしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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